法令対応軽貨物点呼記録記録簿テンプレ

点呼記録簿テンプレート【無料DL】国交省準拠PDF版と記入例|軽貨物1人親方向け【2026年版】

delilog編集部

点呼記録簿テンプレート【無料DL】国交省準拠PDF版と記入例|軽貨物1人親方向け【2026年版】

「点呼記録をつけなきゃいけないのはわかったけど、どの用紙を使えばいいの?」

こんな疑問を持っているドライバーさんは非常に多いです。「書き方ガイド」はネットで調べれば出てきますが、「実際にダウンロードして使える様式ファイル」が軽貨物1人親方向けに整備されていることはほとんど知られていません。

実は国土交通省は、軽貨物事業者向けに点呼記録簿のモデル様式をWord形式で公式配布しています。ただ、そのファイルには記入例も使い方ガイドも一切付いておらず、ダウンロードしても「何をどこに書けばいいのか」が依然としてわかりません。

そこでこの記事では、delilogアプリの実際の出力フォーマット(国交省モデル様式の列構成・注記を参照して作成)と同じPDFテンプレートを、7行型・10行型の2種類で無料配布します。PC で管理したい方向けの Excel テンプレートも合わせて配布しています。17列すべての意味と、1人親方特有の書き方(「対面」表記・自己点呼のやり方)も一緒に解説しますので、今日から正確に記録を始められます。

なお、点呼記録の各項目の書き方・記入例を詳しく知りたい方は、軽貨物「点呼記録」完全ガイド|4項目の書き方・アルコール検知器の選び方・1人親方の自己点呼【2026年版】をあわせてご覧ください。この記事は「様式の入手・使い始め方」に特化して解説します。

この記事でわかること

  • 点呼記録簿に法令上の指定様式はなく、国交省モデル様式または自由様式を使ってよいこと
  • 無料テンプレート(PDF 7行型・10行型 / Excel)のダウンロード方法と、用途別の使い分け方
  • 点呼記録簿の17列すべての意味と、1人親方(自己点呼)ならではの書き方
  • 「対面」表記・「点呼執行者欄」・「交替運転者通告欄」など、つまずきやすい列の正確な書き方
  • 日常点検記録との連携方法(「日常点検状況」列の具体的な運用)

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1. なぜ点呼記録簿が必要か

2025年4月施行:軽貨物1人親方にも義務化された

2025年(令和7年)4月1日、「貨物軽自動車運送事業輸送安全規則」の改正が施行され、軽貨物1人親方(個人事業主ドライバー)にも点呼の実施と記録の保存が義務化されました。

それまでも「安全に気をつけて運転する」ことは当然の義務でしたが、業務前・業務後に毎回点呼を行い、その内容を点呼記録簿に記録して1年間保存するという具体的なルールが、2025年4月から明確に課されることになったのです。

この改正には一部の項目について猶予期間があります。ただし、点呼の実施義務・点呼記録の作成と保存義務については経過措置がありません。2025年4月1日から即座に義務が発生しています(貨物軽自動車安全管理者の選任については令和9年3月末まで猶予があります)。

「1人で仕事をしているだけなのに、なぜ自分で自分に点呼をしなければいけないの?」と感じるかもしれません。しかし法令上は、1人で事業を行っている場合であっても、自ら確認を行い、その記録を作成・保存することが義務とされています(国交省「貨物軽自動車運送事業者の皆様へ(点呼記録簿の例)」)。

点呼の実施と記録の保存をきちんと続けることは、万一の事故や運輸支局の監査があった際に、自分の業務遂行を正確に示せる唯一の手段でもあります。

この記事の目的:「様式入手」に特化して解説する

点呼義務の全体像・具体的な各項目の書き方・アルコール検知器の選び方については、軽貨物「点呼記録」完全ガイド|4項目の書き方・アルコール検知器の選び方・1人親方の自己点呼で詳しく解説しています。

この記事は、それとは別の「使える様式ファイルが見つからない」という困りごとに特化して解説します。

国土交通省は軽貨物事業者向けに点呼記録簿のモデル様式(Word形式)を公式配布しています。ただし、そのファイルには記入例も使い方ガイドも一切付いていないため、「ダウンロードしたはよいが、何をどこに書けばいいかわからない」という状況になりがちです。

この記事の目的は次の3点です。

  1. 点呼記録簿に法令上の指定様式はなく、自由様式でも使えることを説明する
  2. 国交省モデル様式の列構成・注記を参照して作成したPDFテンプレート(7行型・10行型)を無料配布する
  3. 17列すべての意味と、1人親方特有の書き方(「対面」表記・自己点呼での各欄の書き方)を解説する

「書き方の詳細」よりも「今日から使える様式を手に入れて、記録を始める」ことを最優先に解説していきます。


2. 様式の基本ルール:どの用紙を使えばいい?

法令上、様式の指定はない

結論: 点呼記録簿に法令上の指定様式はありません。自分で作成した様式や、民間のひな形を使っても構いません。

ただし、「どんな用紙でもよい」と言っても、記録の内容は自由ではありません。点呼で確認すべき項目(業務前4項目・業務後2項目)は法令で定められており、その確認内容を漏れなく記録できる様式でなければなりません。

逆に言えば、法令上必要な確認事項が網羅されていれば、罫線のノートに手書きでも、スマートフォンアプリのデータとして電子保存しても、法令上の記録義務を満たすことができます。

「どんな様式を使えばいいかわからなくて困っている」という方のために、この記事では後述のPDFテンプレートを用意しています。国交省モデル様式の列構成・注記を参照して作成していますので、法令上必要な確認事項をすべて網羅しています。

国交省モデル様式とは何か

国土交通省は「貨物軽自動車運送事業者の皆様へ(点呼記録簿の例)」というページで、点呼記録簿のモデル様式をWord形式で公式配布しています。

このWordファイルは「モデル様式(例)」であり、法定様式ではありません。つまり、このWordファイルを使わなければいけない、という法令上の義務はありません。

とはいえ、このモデル様式の列構成は法令上必要な確認事項をすべて網羅しており、注記(1人親方の「対面」表記など)も丁寧に記載されています。このモデル様式に準拠した様式を使えば、監査対応の観点でも安心感が高いでしょう。

この記事で配布するPDFテンプレートも、国交省配布モデル様式の列構成・注記を参照(準拠)して作成しています。

なお、業務の記録(運行記録)・事故の記録については国交省からExcel形式の様式例も配布されていますが、点呼記録簿はWordファイル(001767265.docx)のみの提供です。「国交省の点呼記録簿のExcelテンプレートを探している」という方もいますが、現時点では国交省から公式に配布されていません(第6章で詳しく説明します)。

保存期間は1年

点呼記録は、作成後1年間の保存が義務です。これは貨物軽自動車運送事業輸送安全規則に基づくルールです。

なお、日常点検記録・業務の記録(運行記録)も同じく1年保存が求められます。3種類の記録をまとめて1冊のバインダーや同じフォルダで管理すると、保存期限の管理がシンプルになります。

保存形式は書面・電磁的記録のどちらでも構いません。スマートフォンアプリで記録したデータをそのまま電子保存しておく方法も、法令上認められています(貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用通達「書面又は電磁的方法による記録・保存のいずれでも差し支えない」)。

印刷した紙で保存する場合は、月ごとにまとめてクリアファイルやバインダーに綴じておく方法が実務的に管理しやすいでしょう。


3. 点呼記録簿の列構成:17列すべての意味

国交省モデル様式準拠の点呼記録簿17列構成マップ(業務前8列・業務後8列・車両番号1列)

この記事で配布するPDFテンプレートは、国交省配布モデル様式の列構成・注記を参照(準拠)して作成しており、車両番号1列・業務前点呼8列・業務後点呼8列の合計17列で構成されています。

それぞれの列が「何のために存在するか」「何を書くか」を順に解説します。

ヘッダー部分(期間・氏名・屋号)

表の本体に入る前に、ヘッダー行として3つの情報を記入します。

フィールド 記入内容 記入例
期間 令和○年○月○○日〜○○日(週ラベル) 令和7年5月12日〜18日(第3週)
氏名 運転者の氏名 山田 太郎
屋号 事業者の屋号(屋号がない場合は氏名でも可) 山田運送

1枚の記録簿が1週間単位で設計されています。週の始まり(月曜日など)の日付と終わりの日付を記入してから使い始めましょう。

共通列:車両番号

列名 記入内容
車両番号 黒ナンバーのプレート番号(例: 練馬500あ1234)

業務前点呼・業務後点呼のいずれにも対応する共通列です。1台の車両で業務を行う日は、その日の行にプレート番号を記入します。複数台の車両を所有している場合も、1行につき1台分のプレート番号を記入する形になります。

業務前点呼の8列

業務開始前に行う点呼の記録欄です。法令上の確認義務4項目(酒気帯びの有無・疾病疲労等の状況・日常点検の実施状況・運行に関わる指示事項の伝達)に対応した8列で構成されています。

列名 何を書くか 記入例
実施日時 業務前点呼を行った日付と時刻 5/12 8:30
点呼方法 点呼の実施方法。選択肢から記入(後述) 対面
点呼執行者 点呼を実施した者の氏名(1人親方は自分の名前) 山田太郎
アルコール検知器の使用有無 アルコール検知器を使用したか「有」または「無」の2択
酒気帯び有無 酒気帯びの状態か「有」または「無」の2択
疾病・疲労睡眠不足等の状況 体調・疲労・睡眠不足の状況。異常がある場合は具体的に記入 なし(または「空欄」でも可)
日常点検状況 日常点検を実施したかどうか。実施済みなら「済」と記入
その他指示事項(天候等) 運行に関わる指示・注意事項・天候など。特記がなければ空欄可 本日雨天・国道○号注意(または空欄)

「アルコール検知器の使用有無」欄についての重要な説明

この欄に記入するのは「有」か「無」の2択であり、測定数値(mg/Lなど)を書く欄ではありません

国交省「自動車運送事業におけるアルコール検知器の使用について」では、「点呼簿への記入はアルコール検知器使用の『有・無』、酒気帯びの『有・無』の記載で差し支えない」とされています。測定数値の記録は法令上の義務ではなく、「有・無」の記入で法令上の義務を満たすことができます。

国交省モデル様式もこの「有・無」欄で設計されており、数値を書く欄はありません。delilogアプリの点呼記録も同様に、アルコール検知器の「使用有無」と酒気帯びの「有無」をボタンタップで記録する仕様になっており、数値入力欄は設けていません(国交省モデル様式準拠の仕様です)。

「疾病・疲労睡眠不足等の状況」欄について

体調・疲労・睡眠不足の状況を確認する欄です。異常がない日は「なし」と記入するか、空欄のままでも構いません。毎日詳細に書く必要はなく、体調に問題があった場合にのみ具体的に記入します。

例: 「昨夜睡眠3時間・業務継続可能と確認」「軽い頭痛あり・業務継続確認」など

「日常点検状況」欄について

日常点検を実施したかどうかを確認する欄です。実務上は「済」と記入すれば確認記録として通用します。異常があった場合は「済・右前タイヤ空気圧低め→補充済み」のように対処内容を添えて記入します。

日常点検の実施から点呼記録への連携については、第5章で詳しく解説します。

業務後点呼の8列

業務終了後に行う点呼の記録欄です。法令上の確認義務2項目(酒気帯びの有無・車両・道路・運行の状況)に対応した列が中心です。

業務前と同じ名称の列(実施日時・点呼方法・点呼執行者・アルコール検知器の使用有無・酒気帯び有無・その他指示事項)については、基本的な記入方法は業務前と同じです。業務後に特有の2列を中心に解説します。

列名 何を書くか 業務前との違い・特記事項
実施日時 業務後点呼を行った日付と時刻 業務前と記入方法は同じ
点呼方法 点呼の実施方法 業務前と同じ
点呼執行者 点呼を実施した者の氏名 業務前と同じ
アルコール検知器の使用有無 「有」または「無」の2択 業務前と同じ。業務後にも検知器を使用する
酒気帯び有無 「有」または「無」の2択 業務前と同じ
自動車・道路及び運行状況 業務中の車両・道路・運行に関する異常の有無 業務前の「疾病・疲労睡眠不足等の状況」に対応する業務後専用の列。異常がなければ「なし」または空欄可
交替運転者通告 業務を引き継ぐ運転者への伝達事項 1人親方は「なし」または「―」で可
その他指示事項 特記事項・翌日の指示など 特記がなければ空欄可

業務前との主な違いは2点あります。

1つ目: 業務前の「疾病・疲労睡眠不足等の状況」欄が、業務後では「自動車・道路及び運行状況」に変わります。これは業務前(出発前の体調確認)と業務後(帰着後の運行状況報告)という目的の違いを反映したものです。業務中に気になった点(道路の工事・事故・車両の振動など)があれば記入し、特に問題がなければ「なし」または空欄で構いません。

2つ目: 業務後には「交替運転者通告」列があります。これは複数人で交代しながら運行する場合に、次の運転者へ伝達した内容を記録する欄です。1人親方には交替運転者が存在しないため、この欄は「なし」または「―」と記入しておきます。

1人親方ならではの書き方

一般的な運送会社では「管理者が運転者に点呼する」ことを前提に設計されていますが、1人親方(個人事業主)の場合は運転者と点呼執行者が同一人物になります。この特殊な状況への対応方法が、国交省モデル様式の注記に明示されています。

注記1: 「点呼方法」欄は「対面」に○をつける

国交省モデル様式(および各地方運輸局の様式)には次の注記が記載されています。

「注1)『点呼方法』において1人で事業を行っている場合であって運転者自ら点呼を行った場合には『対面』に○をつけてください。」

つまり、1人親方が自分で自分に点呼を行う場合(自己点呼)でも、「点呼方法」欄には「対面」と記入するのが正しい書き方です。「自己点呼」「自分」などと書くよりも、このモデル様式の注記に従って「対面」と記入しましょう。

注記2: 「点呼執行者」欄には自分の名前を書く

1人親方は点呼を行う者も受ける者も同一人物です。「点呼執行者」欄には、自分の名前をそのまま記入します。

注記3: 「交替運転者通告」欄は「なし」または「―」で可

前述のとおり、1人親方には交替運転者が存在しないため、業務後点呼の「交替運転者通告」欄は「なし」または「―」と記入します。空欄のままでも実務上問題はありませんが、意図的に「なし」と記入しておくほうが記録として明確です。

注記4: アルコール検知器の使用有無は「有」と記録する

アルコール検知器の使用が必要な条件(義務の発生要件)については第7章FAQで詳しく触れますが、検知器を使用した日は業務前・業務後の両方の「アルコール検知器の使用有無」欄に「有」と記入します。数値は不要です。


4. 7行型と10行型、どちらを使う?

点呼記録簿テンプレート 7行型vs10行型の使い分けフロー|稼働日数・記入量別の選び方

「2種類あるとわかったけど、どちらを選べばいいかわからない」という方に向けて、選び方の考え方を整理します。

2種類の違いはただ1点:行の高さ

7行型と10行型の違いは、1行あたりの高さのみです。列構成・列名・下部の注記(注1・注2)はまったく同じです。

  • 7行型: 1行の高さ55px。1枚に7日分の記録ができます
  • 10行型: 1行の高さ45px。1枚に10日分の記録ができます

「10行型の方が省スペース」という理解で正確です。列は変わらないため、書く内容もどちらも同じです。

どちらも共通の仕様は以下のとおりです。

  • A4横向き(landscape)
  • ヘッダー3フィールド: 「令和○年○月○○日〜○○日」(週ラベル)/「氏名」/「屋号」
  • 本体は17列の表
  • 下部に注1・注2(注記)

列数も記入内容も同じなので、「どちらでも法令上の要件は同じように満たせる」という前提でまず確認してください。

使い分けの目安

どちらを選ぶかは、自分の稼働パターンと記入量の傾向で決めましょう。

10行型が向いている方

週に5〜6日稼働していて、かつ所見欄(疾病・疲労等や自動車・道路及び運行状況)にほぼ毎日「なし」または空欄で完結する方です。10行型なら1枚に10日分が収まるため、週5〜6日稼働でも2枚以内で10〜12日分を記録できます。記入量が少ない日が多ければ、45pxの行幅で十分です。

7行型が向いている方

ほぼ毎日稼働していて、なおかつ所見欄に具体的な内容を書く機会が多い方です。業務中に異常があった日、体調に気になる点があった日などは、所見欄に「なし」以外の文字を書く必要があります。7行型の55pxはやや広いため、文字を詰め込まずに自然なサイズで書き込めます。

どちらでもよい方

週3〜4日程度の稼働で、所見欄に書くことがほとんどない方は、どちらを選んでも実務上の不便はありません。「印刷枚数を抑えたい」なら10行型、「ゆったり書きたい」なら7行型を選んでください。

分岐をまとめると次のようになります。

稼働パターン 所見の多さ おすすめ
週5〜6日 少ない(ほぼ「なし」) 10行型
週5〜6日 多い(具体的に書くことが多い) 7行型
ほぼ毎日 少ない 10行型
ほぼ毎日 多い 7行型
週3〜4日以下 どちらでも どちらでも可

迷ったときは10行型から始めて、「行が狭くて書きにくい」と感じたら7行型に切り替えるのがおすすめです。

PDFの仕様

2種類のPDFテンプレートは本記事末尾からダウンロードできます。今すぐ使いたい方はそのまま記事末尾へお進みください。

ファイルはA4横向きで出力されます。印刷設定で「横向き」「A4」を選んで印刷してください。縮小設定は不要です。ヘッダーの「令和○年○月○○日〜○○日」「氏名」「屋号」の3欄は、印刷後に手書きで記入します。

デジタルで保管したい場合は、PDFのまま保存するか、印刷後にスキャンして電子保存することも可能です(電磁的記録として書面と同等に認められています)。


5. 日常点検記録との連携:「日常点検状況」列の運用

日常点検から点呼記録への連携フロー 3ステップ(点検実施→点呼確認→点呼記録に「済」と記入)

点呼記録簿の業務前点呼セクションには「日常点検状況」という列があります。「ここには何を書けばいいのか」と迷う方は多いので、この章でまとめて解説します。

業務前点呼の「日常点検状況」列に何を書くか

業務前点呼では、法令上4つの事項を確認することが求められています。その4項目のひとつが「車両の日常点検の実施又はその確認」です(国交省リーフレットP4・e-Gov貨物軽自動車運送事業輸送安全規則)。この確認項目に対応するのが「日常点検状況」列です。

この列に書くのは「日常点検を実施したことの確認結果」です。

通常の日

実務上は「」「実施済」の1〜3文字で記録して問題ありません。全15項目を確認して問題がなかった日は、「済」と書くだけで「日常点検を実施した」という確認記録になります。

「全15項目を毎日列挙する必要があるのでは」と感じるかもしれませんが、それは必要ありません。点呼記録の「日常点検状況」欄はあくまで「点検が済んでいるかどうかの確認」を記録する欄です。15項目の詳細は日常点検記録簿に記録されているため、点呼記録にはその結果の要約として「済」と書けば十分です。

異常があった日

日常点検で何らかの異常が見つかり、対処してから出発した場合は、「済」に加えて対処内容を簡単に補足するとより丁寧です。

記入例: 「済・右前タイヤ空気圧低め→補充済み」

この形で書いておくと、点呼記録と日常点検記録の両方に経緯が残り、後から見返したときの確認がしやすくなります。

日常点検→点呼記録の実務フロー

業務開始前の流れは次の3ステップです。

ステップ1: 日常点検15項目を実施・記録する

業務開始前に車両の状態を15項目確認し、日常点検記録簿にチェックを入れます。点検結果(良・否)と、否があった場合は対処内容を所見欄に記録します。

ステップ2: 業務前点呼で「日常点検状況」を確認する

1人親方の場合は自分自身でこの確認を行います。「日常点検は済んでいるか」を自己確認します。

ステップ3: 点呼記録の「日常点検状況」欄に「済」と記入して出発する

確認結果を点呼記録に記録します。異常があった場合は対処内容を添えて、そのまま出発します(整備が完了していることが前提)。

この3ステップが業務前の標準的な記録ルーティンです。点検→確認→記録の流れを習慣化すれば、1日あたり3〜5分程度で完了します。

日常点検記録簿テンプレートとの接続

点呼記録簿と日常点検記録簿は、この「日常点検状況」列を通じて連動しています。日常点検記録簿テンプレート(無料PDF)は、軽貨物の日常点検記録簿テンプレ|15項目PDF雛形(無料DL)と記入例【2026年版】で配布しています。

本記事の点呼記録簿テンプレートとまったく同じ運用思想(国交省モデル様式準拠、PDF出力、delilogアプリとの連動)で設計されているため、2つのテンプレートをセットで使うことで、業務前の記録作業を一貫したルーティンとして運用できます。

「点呼記録簿は本記事のテンプレートで」「日常点検記録簿は本シリーズのテンプレートで」という使い分けが最もシンプルです。


6. 記録方法の選び方:紙・Excel・アプリを比較する

点呼記録の様式が整ったところで、次は「どうやって毎日記録を続けるか」の手段を選びましょう。法令上は紙でも電磁的記録でも有効です。それぞれの特徴を確認して、自分のスタイルに合った方法を選んでください。

紙(PDFテンプレートを印刷して使う)

本記事末尾から無料でダウンロードできる7行型・10行型PDFを印刷して手書きで記録する方法です。

メリット

初期コストは印刷用紙とプリンターだけです。インターネット接続もアプリも不要で、「ITが苦手」「まずは手書きで始めたい」という方に最も心理的ハードルが低い方法です。

デメリット

業務前と業務後、1日2回の手書きが必要になります。点呼記録は業務前後のそれぞれで記録するため、「一日に2回書く」という習慣が必要です。また記録枚数が積み重なるため保管スペースも必要になり、過去の記録を後から検索することはできません。

「今日から始めたい」「アプリに慣れるまでのつなぎとして使いたい」という段階では、紙が最も始めやすい選択肢です。

Excel で記録する

Excelで点呼記録を管理することを検討している方に、ひとつ重要な点をお伝えします。

国交省の点呼記録簿テンプレートはWord形式(001767265.docx)のみの提供です。点呼記録のExcel版は国交省から公式配布されていません。

国交省の制度改正ページでは、業務の記録・事故記録についてはExcel様式を公式配布しています。しかし点呼記録については、Word形式のモデル様式のみです。「国交省の点呼記録Excel版」という情報を見かけることがありますが、業務記録・事故記録のExcel様式との混同と思われます。

そこで本記事では、PDFテンプレートと同じ17列構成のExcelテンプレートも合わせて無料配布しています。本記事末尾の「無料テンプレートをダウンロードする」セクションからダウンロードできます。

なお、Excelで管理する場合の実務上の制約として、業務前後にスマートフォンでExcelを開いて記録するのは操作しづらく、「後でPCで入力する」という運用になりやすいです。点呼記録は業務の前後に即時記録するものであるため、「あとでまとめて入力」という運用は記録の正確性を下げるリスクがあります。

アプリで記録する(delilog 無料プラン)

スマートフォンアプリで点呼記録を管理する方法です。

delilog の点呼記録(業務前・業務後)は無料プランで利用できます。プレミアム機能ではありませんので、アプリをインストールすればすぐに無料で始められます。

アルコール検知器の「使用有無」と「酒気帯び有無」の2項目はボタンタップで記録します。数値を入力する欄はありません(国交省モデル様式の列構成に準拠した仕様です)。所見欄は任意入力で、初期値は空白です。異常がなかった日は所見欄に何も書かずに記録を完了できるため、通常の業務前・業務後の点呼記録は30秒〜1分程度で完了します。

日常点検記録も同じアプリ内で管理できるため、「日常点検→点呼記録の『日常点検状況』欄に反映」という第5章で説明した流れが、アプリ内でシームレスに進みます。記録のない日はPDF出力時に「稼働なし」と自動表示されるため、休業日の記録を意識的に省略する手間もありません。

PDF出力は国交省モデル様式に準拠しているため、運輸支局への提示や監査対応にそのまま使えます。

なお、業務の記録(運行記録)はプレミアム機能です。14日間の無料トライアルで試すことができますが、点呼記録・日常点検とは別の機能区分になりますので、混同しないよう確認してください。

どれを選ぶ?

5つの軸で3つの手段を比較します。

比較軸 紙(PDF印刷) Excel アプリ(delilog)
初期コスト プリンター・用紙のみ 自作または外部Excelテンプレ 無料
書く負荷 毎日2回手書き 毎日2回入力(スマホ不向き) ボタンタップで30秒〜1分
保管スペース 必要 クラウド可 クラウド
点呼連動 別管理 別管理 日常点検と同一アプリで連動
スマホ対応 不可 入力しづらい 最適化済み

法令上は紙でも電磁的記録でも有効です。電磁的記録(スマートフォンアプリでの記録保存を含む)は、書面と同等として認められています(貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用通達「書面又は電磁的方法による記録・保存のいずれでも差し支えない」)。

紙から始めることも正当な選択肢です。「まずは紙で始めて、記録を続けることに慣れてからアプリに移行する」という段階的な進め方でも問題ありません。重要なのは、どの手段を選ぶにしても業務前・業務後の2回、毎日記録を残すことです。


7. よくある質問(FAQ)

点呼記録簿にまつわる「これはどうするの?」という疑問をまとめました。

Q1. 点呼記録簿に決まった様式(書式)はあるのか?

結論: 法令上の指定様式はなく、自由様式を使うことができます。

国土交通省は「貨物軽自動車運送事業者の皆様へ(点呼記録簿の例)」として Word ファイル(001767265.docx)を公式配布していますが、これはあくまで「モデル様式(例)」であり、使用義務はありません。ただし注意が必要です。様式は自由でも、記録すべき確認事項は法令で定められています。業務前の確認4項目(酒気帯びの有無・疾病等の状況・日常点検の実施状況・運行に関わる指示伝達)と業務後の確認2項目(酒気帯びの有無・車両・道路・運行の状況)を網羅した様式でなければなりません。本記事配布の PDF テンプレートはモデル様式と同じ列構成で作成しているため、そのまま使っていただけます。

Q2. 「点呼方法」欄に何を書けばいい?1人親方が「対面」でいいのか?

結論: 1人親方は「対面」に○をつけて問題ありません。

国交省配布のモデル様式および各地方運輸局の様式には、次の注記が明記されています。「1人で事業を行っている場合であって運転者自ら点呼を行った場合には『対面』に○をつけてください」。この注記に従い、1人親方が自己確認・自己点呼として記録を作成・保存する場合は、「対面」に○をつけるのが正確な記入方法です。1人で事業を行っている場合は、自らアルコール確認・体調確認・日常点検確認を行い、その内容を点呼記録簿に記録することで点呼義務を履行できます。

Q3. 「点呼執行者」欄に自分の名前を書くのか?

結論: 1人親方は自分の名前を書きます。

「執行者」という言葉のせいか、「管理者や事業者の名前を書くのでは」と感じる方もいるかもしれませんが、点呼執行者とは「点呼を行った者の氏名」を指します。1人親方が自ら点呼を実施している場合は、自分が点呼執行者になるため、自分の氏名を記入します。「自分で自分の点呼を行う」という自己点呼のルールとしてそう定められています。はじめは違和感があるかもしれませんが、1人で事業を行う場合の標準的な記入方法ですので、迷わず自分の名前を書きましょう。

Q4. アルコール検知器の測定数値を書かなくていいのか?

結論: 数値の記録は法令上義務ではありません。

「数値を記録しなくてよいのか」という疑問は非常に多いですが、これは法令の解釈として正確です。国交省「自動車運送事業におけるアルコール検知器の使用について」では、「点呼簿への記入はアルコール検知器使用の『有・無』、酒気帯びの『有・無』の記載で差し支えない」と明示されています。国交省が公式配布しているモデル様式(001767265.docx)も、全日本トラック協会の標準帳票も、いずれもアルコール検知器の欄は「有無」を記録する設計になっており、数値を書く欄は設けられていません。「0.00mg/L と書かないといけない」という情報を見かけることがありますが、それは法令の根拠がない誤解です。アルコール検知器を使用したか(有・無)、酒気帯びが確認されたか(有・無)の2項目を記録すれば、法令上の記録義務を果たしています。記録の書き方の詳細については、点呼記録4項目の書き方・記入例の詳細はこちらで解説しています。

Q5. 稼働しない日(休業日)の点呼記録は必要か?

結論: 稼働しない日(業務のない日)は点呼記録の作成義務はありません。

点呼義務は「運行の業務に従事しようとする際」と「運行の業務を終了した際」に発生します。つまり点呼義務は運行を行う日にのみ発生するため、業務がない日に記録を作成する必要はありません。「記録していない日があると監査で問題になるのでは」と心配する方もいますが、稼働していない日は記録がなくて当然です。delilog では記録のない日はPDF出力時に「稼働なし」と自動表示されるため、監査時も「その日は業務がなかった」ことが明確に伝わります。

Q6. 紙とアプリで重複して記録した場合、両方保存が必要か?

結論: どちらか一方で足ります。重複保存の義務はありません。

法令は「記録を作成・保存すること」を義務としているのみで、紙とアプリの二重保存を求めてはいません。移行期に両方の手段で記録しているケースもありますが、どちらか確実に1年間保管できる方に一本化することをおすすめします。「紙でもアプリでも残ってはいるが、紛失・削除リスクを分散している」という考え方もありますが、義務としては一方で足ります。

Q7. Excel で管理してよいか?電子保存の要件は?

結論: Excel を含む電磁的記録は法令上認められています。

貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈・運用通達において、「書面又は電磁的方法による記録・保存のいずれかでも差し支えない」と明示されており、Excel やアプリによる電子保存は紙への記録と同等として扱われます。ただし、ひとつ注意があります。国交省は点呼記録簿の Excel テンプレートを公式配布していません。業務記録・事故記録については Excel 形式の様式例を公開していますが、点呼記録は Word 形式(001767265.docx)のみの提供です。Excel で管理したい方は、本記事末尾で配布する Excel テンプレートをご利用ください。国交省モデル様式と同じ17列構成で、PDFと同等にそのまま使えます。電子保存の要件としては「いつでも記録を提示できる状態であること」が求められます。クラウドに保存している場合でも、監査時に端末を操作してその場で表示・出力できる状態を維持しておきましょう。


8. まとめ:テンプレートを使って今日から記録を始めよう

この記事では、点呼記録簿の様式ルール・17列すべての意味・7行型と10行型の使い分け・日常点検との連携・記録方法の選び方と、様式の入手から使い始めまでを一通り解説してきました。最後に、今日から始めるための3つのステップでまとめます。

3つのステップで始める

ステップ1: 自分の稼働スタイルに合わせて7行型か10行型を選ぶ

第4章の使い分けフローを参考に、自分の稼働日数と記入量のイメージに合った型を選びましょう。週5〜6日稼働で所見が少ない日が多い場合は10行型が1枚に収まりやすく効率的です。所見欄に書くことが多い日が多い、または1行のスペースにゆとりを持って書きたい場合は7行型が向いています。迷ったら10行型から始めてみて、「書きにくい」と感じたら7行型に切り替えるという流れでも問題ありません。

ステップ2: テンプレートをダウンロードして印刷し、今日の業務前から記録を始める

PDF をダウンロードして印刷したら、紙バインダー1冊を用意して綴じる運用が定番です。「今日の用紙を用意する」を業務前点呼の前に行うルーティンに組み込むと、記録し忘れを防げます。テンプレートのヘッダー欄(氏名・屋号)はあらかじめ記入しておくと、毎回の手間が減ります。

ステップ3: 日常点検記録と点呼記録をセットの業務前ルーティンに組み込む

「日常点検15項目を実施・記録する → 業務前点呼で『日常点検は済んでいるか』を確認する → 点呼記録の『日常点検状況』欄に『済』と記入する → アルコール検知器で確認する → 出発」という流れを固定化すると、業務前の法令義務をひとまとめにこなせます。日常点検記録簿と点呼記録簿を同じバインダーに綴じる運用にすると、一緒に管理できてまとめて1年保存もシンプルになります。軽貨物の日常点検記録簿テンプレ(無料DL)はこちらも合わせてダウンロードすると、一括運用が始めやすくなります。

無料テンプレートをダウンロードする

紙で始めたい方は PDF を、PCで管理したい方は Excel をご利用ください。いずれも国交省配布のモデル様式(001767265.docx)の列構成・注記を参照して作成しており、その日からすぐに使えます。

PDF版(A4横向き印刷対応)

Excel版

PDF はヘッダーに氏名・屋号を記入し、業務前後に1行ずつ記録を積み重ねていくだけで法令義務を果たせます。Excel は PC で管理したい方や、月ごとにファイルを分けて運用したい方に向いています。

delilog で始める(無料プラン)

スマホ1台で完結したい方には、アプリでの記録がおすすめです。

点呼記録は法令上の義務ですが、テンプレートを使って毎日のルーティンに組み込めば数分で完了します。記録内容の書き方について詳しく知りたい方は、軽貨物「点呼記録」完全ガイド|4項目の書き方・アルコール検知器の選び方・1人親方の自己点呼もぜひご覧ください。


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参考資料

国土交通省

e-Gov 法令検索

補助資料