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軽貨物の業務の記録(運行記録)テンプレ|6項目PDF雛形(無料DL)と記入例【2026年版】

delilog編集部

軽貨物の業務の記録(運行記録)テンプレ|6項目PDF雛形(無料DL)と記入例【2026年版】

「義務があるのはわかった。でも、実際にどの様式に何を書けばいいの?」——業務の記録を始めようとして、真っ先にぶつかる疑問がこれです。

国土交通省は公式の業務記録様式例(Excel)を配布していますが、「この列は何を書く欄なのか」「記入例はどこにある?」という情報は不足しがちです。この記事では、delilog アプリが実際に出力するオリジナル様式をそのまま使える無料の PDF・Excel テンプレートを配布するとともに、全項目の記入手順と記入済みサンプルを徹底解説します。書き方の詳細(地点の粒度・リアルタイム記録の原則・つまずきポイント)については、ペア記事の業務の記録 完全ガイドで詳しく扱っています。

この記事でわかること

  • 業務の記録に法令上の指定様式はなく、国交省様式例または自由様式を使ってよいこと
  • 無料テンプレート(PDF・Excel)のダウンロード方法と、delilog の実出力をそのまま印刷・編集して使えること
  • 公式様式の全列の意味と、毎日書く項目・発生時だけ書く項目の区別
  • 待機(荷主都合・30分以上)と荷役作業等の記録条件(条件付き必須項目)
  • 点呼記録・日常点検記録との一体運用の方法

関連記事(軽貨物の法令対応シリーズ)


1. なぜ業務の記録(運行記録)は「義務」なのか

2025年4月から軽貨物にも記録義務が課された

「業務の記録」という言葉を初めて聞いたとき、「トラックの話じゃないの?」と感じた方も多いのではないでしょうか。実際、長距離トラックやバン型トラックなど緑ナンバーの一般貨物事業者では以前から義務化されていましたが、黒ナンバーの軽貨物はこれまで対象外でした。

2025年4月1日、貨物自動車運送事業輸送安全規則e-Gov 第8条)の改正が施行され、軽貨物事業者にも業務の記録が義務付けられました。この改正には経過措置がありません。「まだ猶予期間があるのでは?」と思われる方もいますが、業務の記録については2025年4月1日から即座に義務が発生しています

国土交通省は制度改正ページや「貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました」というリーフレットで、軽貨物事業者が新たに対応すべき安全管理の全体像を公開しています。その中で「業務の記録」は、点呼記録・日常点検とともに中核をなす義務です。

なぜ今、軽貨物に義務化されたのか

背景にあるのは、軽貨物事業の急拡大と事故の増加です。ネット通販やフードデリバリーの普及で黒ナンバーのドライバーは急増しましたが、安全管理の仕組みが追いついていませんでした。

国土交通省の統計では、2016年から2023年にかけて保有台数1万台あたりの事業用軽自動車の死亡・重傷事故件数が約4割増加しています(出典: 国土交通省「貨物軽自動車運送事業における安全対策強化」)。この数字は、緑ナンバーの大型・中型トラックとは対照的です。他業種が安全管理の仕組みを整えてきた中で、軽貨物は長らく整備が遅れていたことが、この増加につながっています。

業務の記録には「書かせることで運転者の安全意識を高める」という側面もあります。「今日どこを走って、何kmで、何があったか」を毎日記録する習慣が、不安全な運転行動の抑止力になるという考え方です。

「業務の記録」「運行記録」「点呼記録」の違いを整理する

この3つは混同されがちですが、それぞれ別の記録です。

記録の種類 何を記録するか 保存期間
業務の記録(運行記録) その日の業務の内容(誰が・どこで・何km走ったか) 1年
点呼記録 業務前後の体調・アルコール確認の内容 1年
日常点検記録 業務前の車両チェックの結果 1年

「業務の記録(運行記録)」は業務の内容そのものを残す記録です。点呼記録が「出発前の状態」を記録するものだとすれば、業務の記録は「業務全体の軌跡」を記録するものです。

名称については「業務の記録」と「運行記録」の2つが混在しています。これは法令(輸送安全規則)上の正式名称が「業務の記録」で、業界や現場では「運行記録」「運行日誌」とも呼ばれているためです。どちらの言い方も間違いではありませんが、この記事では「業務の記録」を正式名称として使います

この記事が目指すこと

業務の記録の書き方・各項目の粒度・つまずきポイントについては、軽貨物「業務の記録(運行記録)」完全ガイド|6項目の書き方・保存ルール・つまずきポイントで詳しく解説しています。

この記事はそれとは異なり、「ダウンロードして今日から使える様式ファイル」の提供に特化しています。delilog アプリが実際に出力するオリジナル様式(国交省公式様式が求める項目をすべて満たすもの)を、記入例つきのPDF・Excelテンプレートとして無料で配布します。様式の全項目の意味、毎日書く項目と発生時だけ書く項目の区別、公式の記入例サンプルをこの1本で押さえられるように構成しています。


2. 対象者・作成タイミング・保存期間

対象になるのは誰か

業務の記録の対象は明確です。

  • 黒ナンバー(事業用軽自動車)で運送業をしている人すべて
  • 個人事業主(1人親方)も対象
  • 法人も対象
  • バイク便は対象外

「1人でやっているから」「規模が小さいから」という例外はありません。黒ナンバーの車で運送の仕事をしている時点で、業務の記録義務が生じます。

いつ記録を作るか

業務の記録は業務(運行)ごとに作成します。「月1回まとめて書く」「週末に先週分を振り返る」という運用は法令上認められていません。

リアルタイム記録が原則です。 出発時・到着時・休憩時など、イベントが発生したタイミングでその都度記録するのが正しい運用です。「夜に家に帰ってから1日分をまとめて書く」という状態は法令上のグレーゾーンに入ります。事故後の調査で「後から作った記録ではないか」と疑われるリスクがあるため、できる限りリアルタイムで記録する仕組みを整えましょう。

現実的な運用方法については第4章で触れます。

保存期間は1年(事故の記録は3年)

業務の記録は作成後1年間の保存が義務です。1年経過したら廃棄してOKです。

ただし例外があります。同日に事故が発生した場合、その日の業務記録は事故記録(3年保存)に合わせて保管するのが安全です。業務記録に事故の経緯が含まれている以上、事故記録が有効な期間は業務記録も捨てない方が無難です。

保存形式は書面・電磁的記録(Excel・アプリのデータ)どちらでも構いません。アプリで記録したデータをそのまま電子保存する方法も法令上認められています。

守らないとどうなるか

違反の内容 処分の内容
記録の不備・未作成 最大100万円の罰金
重大または繰り返しの違反 事業停止命令
事故報告の未提出 行政処分

ただし、いきなり満額の罰金が来るケースはまれです。監査で指導 → 改善命令 → それでも改善されない場合に処分、という段階を踏むのが一般的です。怖がりすぎる必要はありませんが、「記録がゼロの状態で事故を起こした場合」は一気に重くなります。記録の有無が処分の重さを左右することは覚えておいてください。

他の記録と一緒に保管する

点呼記録・日常点検記録・業務の記録の3種類は、いずれも1年保存が義務です。バインダー1冊または同一フォルダにまとめて保管しておくと、保存期限の管理がシンプルになります。


3. 業務の記録「全項目」の構造:毎日の項目と発生時の項目

業務の記録(運行記録)全項目の構造図。毎日必ず記録する項目(車両番号・氏名・業務開始/終了・経過地点・走行距離)と発生時・条件付き必須項目(事故・遅延・業務交替・待機・荷役)の2区分を示す

公式様式が示す「全項目」の全体像

国交省が公式配布している業務記録の様式例(Excel)を見ると、記録すべき項目は大きく2つのグループに分かれています。

毎回(業務のたびに)必ず記録するグループと、発生した場合や特定の条件を満たした場合にだけ記録するグループです。

ペア記事の業務の記録 書き方ガイドでは、核心となる6項目を中心に解説しています。この記事では、公式様式に忠実なフル項目版として、6項目に加えて待機・荷役・業務交替の欄も含めて解説します。

毎回記録する項目(毎業務必須)

項目 書く内容
運転者の氏名 フルネーム(姓+名)
車両番号 ナンバープレートの番号(例: 品川000あ1234)
業務開始の地点・日時 最初の出発地点と出発時刻
業務終了の地点・日時 最後の到着地点と到着時刻
休憩の地点・日時 休憩した場所と開始・終了時刻
主な経過地点(地点・着時刻・発時刻) 集荷・納品した場所
業務に従事した距離(走行距離計:出発時km/到着時km) 走行距離計の出発時・到着時の値

これが毎日必ず埋める欄です。公式様式では「業務の開始/終了/休憩の日時と地点」「主な経過地点」「走行距離」が核心部分を構成しており、書き方ガイドの6項目(①氏名②車両番号③日時と地点④経過地点⑤走行距離⑥事故遅延)と対応しています。

発生時に記録する項目

発生した場合にだけ記録する欄です。平常日は空欄のままで構いません。

項目 記録するタイミング
事故・著しい遅延・その他の異常な状態(概要及び要因) 事故・重大な遅延が起きた日
業務を交替した場合の地点・日時 別のドライバーと業務を引き継いだ日

1人親方で一人で業務を行っている場合、「業務交替」は通常発生しません。この欄も空欄でOKです。

条件付き必須項目:待機と荷役

こちらが、多くのドライバーが見落としやすいグループです。

国交省の公式様式には、待機と荷役の記録欄が正式に含まれています。「任意の補助欄」ではなく、条件を満たしたときは必ず記録しなければならない欄です。

待機の記録(荷主都合・30分以上の場合)

荷主の都合で集荷・配達地点に30分以上待機させられた場合に記録します。

書く内容:

  • 集貨地点等(待機した場所)
  • 到着日時
  • 到着指定日時(荷主から「○時に来て」と指定があった場合)
  • 出発日時

重要な定義: 「荷主の都合」とは

公式様式の注記では、待機時間とは「事業者としての運行計画又は運行指示によらない、荷主の指示等によるものをいい、事業者の都合により生じた待機時間は、これに含まない」と明確に定められています。

つまり対象になるのは「荷主に待たされた30分以上」だけです。自分の都合で取った休憩時間や昼食時間は待機に含みません。

荷役作業等の記録

集荷・配達地点で積込み・取卸し(荷役作業)や、荷造り・仕分け(附帯業務)を行った場合に記録します。

書く内容:

  • 荷役作業等の開始・終了
  • 荷役作業等の内容(例: 個別に置かれている荷物の荷造り作業)
  • 荷主の確認の有無(例: 「口頭により確認あり」)

ただし例外があります。荷主との契約書に荷役作業等の全内容があらかじめ明記されている場合は、その作業に1時間以上かかった場合にのみ記録します。契約書に記載のない作業を頼まれた場合は、時間の長短にかかわらず記録が必要です。

待機・荷役の詳しい記録方法については、業務の記録 書き方ガイド 第5章で解説しています。

宅配中心なら待機・荷役欄はほとんど空欄でよい

宅配中心で、荷主に長時間待たされることも特別な荷役作業を頼まれることも少ない働き方であれば、待機・荷役欄はほとんど空欄のままで構いません。条件(荷主都合・30分以上 / 荷役作業等の実施)を満たさない限り、記録の義務は発生しません。

この記事で配布するテンプレートは delilog アプリの実出力(オリジナル)で、待機・荷役の欄も版面に含めて設計しています。記入例シートも付属していますので、記録が必要な状況になったときにすぐ使えます。


4. 全項目の記入手順と記入例

ここでは、毎業務で記録する各項目を1項目ずつ「何を・どう書くか」と「OK例・NG例」でまとめます。公式様式の記入例シートにある「貨物太郎」「品川000あ1234」のサンプルも参照しながら解説します。

4-1. 運転者の氏名

書くこと: フルネーム(姓+名)

個人事業主で自分一人の場合、毎日同じ名前が入ります。「自分なのに毎回書くの?」と感じるかもしれませんが、これは「誰が運転したか」を客観的に示すためのものです。監査時に「この日の業務はあなたが行ったと確認できますか」と問われたとき、記録があれば即座に答えられます。

判定
貨物 太郎 OK
貨物太郎(スペースなし) 許容範囲(読める形なら可)
太郎(名前のみ) NG(フルネームが必要)

アプリやテンプレートを使う場合は、プロフィールに氏名を登録しておけば毎回自動で入ります。毎日手書きする必要はありません。

4-2. 車両番号

書くこと: ナンバープレートの番号

公式様式の記入例では「品川 000 あ 1234」のように、地名・分類番号・ひらがな・4桁数字の順で記入します。日常的に使っている表記で問題ありません。

判定
品川 000 あ 1234 OK(公式記入例の形式)
品川480あ1234 OK(スペースなしでも可)
あ1234(下4桁のみ) NG(車両を特定できない)

複数の車両を所有している場合は、その日に運転した車両のナンバーを正確に記入します。

4-3. 業務の開始・終了・休憩の日時と地点

書くこと: 出発・到着・休憩の各タイミングで「時刻」と「場所」を記録する

この項目が業務の記録で最もボリュームがある部分です。1日の業務を時系列で追い、次の3つのタイミングで記録します。

タイミング 記録すること
業務開始 その日最初の出発の日時と場所
業務終了 その日最後の到着の日時と場所
休憩 休憩の開始・終了の日時と場所

地点の書き方(粒度が大切)

地点は「市区町村+施設名」のレベルで書きます。

書き方 判定
番地まで 品川区北品川1-1-1 自宅 NG(書きすぎ・守秘リスク)
市区町村+施設名 品川区 自宅車庫 OK(これが正解)
市区町村のみ 品川区 やや不足(許容範囲)
都道府県のみ 東京都 NG(不十分)

番地まで書く必要はありません。「誰が見ても、だいたいの場所と目的が分かる」レベルで十分です。番地まで詳細に書くと、荷主の住所情報など守秘義務に関わる情報が残るリスクがあります。

OK例(1日分)

業務開始: 8:30 品川区 自宅車庫 出発
休憩開始: 12:00 川崎市中原区 コンビニ駐車場
休憩終了: 12:30 同上
業務終了: 17:00 品川区 自宅車庫 到着

休憩はどこまで書くか

5〜10分のトイレ休憩まですべて記録するのは非現実的です。30分以上の休憩・食事・仮眠を中心に記録しておけば、実運用で問題になることは少ないです。

「1日」の単位について

業務開始から業務終了までが1単位です。23:00に出発して翌3:00に帰宅する業務も、業務単位で1枚の記録にまとめます。1日に午前便・午後便と業務を分ける場合は、業務単位でそれぞれ記録します。

4-4. 主な経過地点(地点・着時刻・発時刻)

書くこと: その日に実際に荷物を扱った場所(集荷・納品をした場所)

通過しただけの場所(走り抜けた市町村)は書きません。「荷物の動きがあった場所」だけでOKです。

公式様式では「地点」「着時刻」「発時刻」の3列で構成されています。到着した時刻と出発した時刻をセットで記録します。

OK例

大田区 ○○配送センター(集荷) 着 9:00 / 発 9:20
中央区 △△オフィスビル(納品)  着10:15 / 発10:25
港区   □□マンション(納品)    着11:00 / 発11:10

荷主名・顧客名は記録対象外

施設の通称(「○○物流センター」「△△倉庫」など)で書けば、個人・企業の取引情報を残さずに要件を満たせます。

件数が多い宅配業務(Amazon配送など)では、配達した全住所を1件ずつ書く必要はありません。エリア・施設名レベルの粒度でまとめて記録しても問題ありません。

4-5. 走行距離(業務に従事した距離)

書くこと: 出発時のメーター値と到着時のメーター値、および差分(走行距離)

公式様式では「走行距離計:出発時 km / 到着時 km」として記録欄が設けられています。出発時と到着時のオドメーター(走行距離計)の値を記録し、その差が業務で走った距離になります。

計算例

出発時のメーター: 24,830 km
到着時のメーター: 24,915 km
業務で走った距離:    85 km
ポイント 内容
単位 1km単位で十分。小数点以下まで書かなくてよい
対象 業務で走った距離のみ。プライベートの走行分は含めない
メーター読み忘れ 概算でも必ず書く。空欄は「記録漏れ」扱い

走行距離は手動入力が基本です。 デジタルタコグラフを導入している場合を除き、出発時と到着時のメーター値を自分で読んで記録します。

メーター値はその場で控えるのがコツ

走行距離は、あとから思い出すのが難しい項目です。業務の開始時と終了時に、その場でメーター値を控える習慣をつけると、記録漏れや概算頼みを防げます。トリップメーターをリセットできる車なら、出発時にリセットしておけば、到着時の表示がそのまま当日の走行距離になります。

4-6. 事故・著しい遅延の概要と原因(発生時のみ)

書くこと: 事故または重大な遅延が発生した日のみ記録する

平常日は空欄で構いません。「書くことがない=何も起きなかった良い日」です。

記録が必要なのは次のケースです。

  • 業務中に事故が発生した
  • 著しい遅延(到着予定時刻より大幅に遅れる事態)が発生した
  • その他の異常な状態(車両故障・天候による長時間立ち往生など)が発生した

書き方の例(著しい遅延の場合)

公式様式の記載例シートでは次のような表現が使われています。

国道○○号線が○○による渋滞のため、○○時に○○へ到着する予定であったが、
大幅に遅れ○○時に到着した。

書き方の例(事故の場合)

13:45頃 品川区○○交差点で後方車両に追突された
相手方と連絡先交換・警察に届出済
原因:前方車両の急停止
人身被害なし、物損のみ(バンパー小傷)

事故が発生した場合は、業務の記録とは別に「事故の記録」を3年間保存する義務もあります。事故の記録は別の様式に記録し、業務の記録(1年)より長く保管してください。

4-7. 発生時・条件付き必須項目の記入例(待機・荷役・業務交替)

業務交替の記録(発生時のみ)

別のドライバーと業務を引き継いだ場合に、引き継いだ地点と日時を記録します。1人親方で一人で業務を行っている場合は通常発生しません。

待機の記録例(荷主都合・30分以上の場合)

公式様式の記載例シートでは次のように記録されています。

集貨地点等: 大田区 ○○物流センター
到着日時:  9:30
到着指定日時: 9:30(荷主指定あり)
出発日時: 10:10
(荷主都合により40分待機)

この例では、荷主から「9:30に来て」と指定されたにもかかわらず10:10まで待機させられた状態を記録しています。

荷役作業等の記録例

開始・終了: 10:15〜11:00
内容: 個別に置かれている荷物の荷造り作業
荷主の確認の有無: 口頭により確認あり

「口頭により確認あり」「署名により確認あり」など、荷主の確認を得た方法を明記します。確認が取れなかった場合は「確認取れず」と記録します。

リアルタイム記録の実践的なやり方

「毎回手書きは無理」と感じる方も多いと思います。実際、車を降りるたびに手書きで記録するのは手間がかかります。実務的な選択肢として次のような方法があります。

  • スマホアプリ: 業務開始・納品完了・業務終了などのタイミングでボタンを押すだけで時刻と場所を記録できるアプリを使う
  • 音声メモ: 運転中に「10:15 港区○○に納品完了」と音声メモを残しておき、停車後にテキスト化する
  • テンプレートのコピー: 前日のExcelシートをコピーして日時だけ修正する(ルート固定の場合)

「丸1日分をまとめて夜に書き起こす」状態さえ避ければ、完全にリアルタイムでなくても実務上は対応できます。アプリを使う場合は、各アクションのタイミングで記録ボタンを押す習慣をつけましょう。


5. 記録簿への書き込みサンプル(記入例)

業務の記録テンプレート記入例。「平常運行の日」の全項目記入済みサンプル(貨物太郎・品川000あ1234)。公式様式001841029.xlsxの「記載例」シートに基づく

「記録が必要なのはわかったけど、実際に何をどこに書けばいいかイメージが湧かない」という声は多いです。この章では、国土交通省公式の業務記録様式(業務記録の様式例(Excel・記載例つき))に付属の「記載例」シートをもとに、「平常な運行の日」「待機・荷役があった日」「遅延が発生した日」の3パターンの記入サンプルを示します。

配布テンプレートの列構成

まず、この記事で配布するPDF・Excelテンプレートの列構成を確認しておきましょう。これは delilog アプリが実際に出力する様式そのもの(オリジナル)です。国土交通省の公式様式(001841029.xlsx)が求める項目をすべて満たしたうえで、稼働時間(業務終了 − 業務開始)の自動計算欄などの実務的な工夫を加えています。

ヘッダー部分(固定情報)

フィールド 記入内容 記入例
運転者の氏名 フルネーム(姓+名) 貨物 太郎
屋号 事業者の屋号(なければ氏名で可) 貨物太郎運送
車両番号 ナンバープレートの番号 品川 000 あ 1234

日次の記録行(毎回必ず記録する列)

記入内容 備考
日付 業務の日付 深夜またぎは業務単位で1記録
業務開始(地点・日時) 出発した地点と出発時刻 市区町村+施設名が目安
主な経過地点(地点・着時刻・発時刻) 集貨・配達をした場所と到着・出発時刻 通過のみの場所は不要
業務終了(地点・日時) 帰着した地点と到着時刻
走行距離(出発時 km/到着時 km) 業務開始時と終了時の走行距離計の表示 差分が従事距離になる
稼働時間(業務終了 − 業務開始) 業務開始・終了の時刻から算出する稼働時間 delilog 版で追加。手書き時は記入任意
事故・著しい遅延(概要及び要因) 発生した場合のみ記入 平常日は空欄でよい
業務交替(地点・日時) 他のドライバーに業務を引き継いだ場合のみ 1人親方は通常空欄

発生時・条件付きで記録する欄

記録するタイミング
待機(集貨地点等・到着日時・到着指定日時・出発日時) 荷主の都合で集貨・配達の地点で30分以上待機した場合
荷役作業等(開始・終了・内容・荷主確認の有無) 積込み・取卸し・荷造り・仕分けなどを実施した場合

この2欄は「任意」ではありません。公式様式に明記された項目です。ただし、毎日必ず書く必要はなく、「該当する状況が起きたときに記録する」項目です。テンプレートの版面にも「該当する場合に記入」と補注を設けています。

配布する PDF・Excel には、空欄の「業務の記録」シートと、軽貨物の宅配を想定した「記入例」シートの2つを収録しています。以下では、より多くのケース(待機・荷役・遅延)を確認できるよう、国土交通省公式様式の記載例に沿って3パターンのサンプルを解説します。


サンプル1:平常な運行の日

公式様式の「記載例」シートをもとにした記入例です。

ヘッダー部分

  • 運転者の氏名: 貨物 太郎
  • 車両番号: 品川 000 あ 1234

日次の記録行

項目 記入内容
日付 令和7年4月1日
業務開始(地点・日時) ○○営業所 車庫 / 8:00発
主な経過地点(1) ○○倉庫 / 着 8:30 / 発 9:00(集荷)
主な経過地点(2) ○○地区 配送センター / 着 10:30 / 発 11:00(納品)
主な経過地点(休憩) ○○公園 駐車場 / 着 12:00 / 発 12:45(休憩)
業務終了(地点・日時) ○○営業所 車庫 / 18:00着
走行距離(出発時) 12,500 km
走行距離(到着時) 12,680 km
事故・著しい遅延 (空欄)
業務交替 (空欄)

待機・荷役欄もこの日は該当しないため空欄で問題ありません。走行距離の従事距離は「12,680 − 12,500 = 180 km」と計算できます。

記入のポイント

地点の粒度は「市区町村+施設の通称」が正解です。「○○倉庫」「○○地区 配送センター」のレベルで書けば十分で、番地まで書く必要はありません。荷主の会社名や取引先の固有名詞も記録対象外です。「○○物流」「△△配送センター」のような施設の通称で書けば守秘義務の問題も生じません。


サンプル2:待機・荷役があった日

待機と荷役の記録が必要になる日の記入例です。公式様式の「記載例」シートに基づいています。

日次の記録行(平常部分は省略)

項目 記入内容
業務開始(地点・日時) ○○営業所 車庫 / 8:00発
主な経過地点(1) ○○倉庫 / 着 8:30 / 発 9:00(集荷)
業務終了(地点・日時) ○○営業所 車庫 / 18:30着

待機欄

項目 記入内容
集貨地点等 ○○物流センター
到着日時 9:30
到着指定日時 10:00(荷主指定があった場合に記入)
出発日時 10:10

この例では「9:30 に到着したが、荷主から10:00の受付と指定されており、10:10まで待機した」ケースです。到着から出発まで40分で、荷主の都合による30分以上の待機に該当するため記録が必要です。

「事業者の都合」による待機は含みません。例えば、自分の運行計画のずれや渋滞で早着した待ち時間は、荷主の都合ではないため待機欄への記録は不要です。

荷役欄

項目 記入内容
荷役作業等の開始・終了 10:10〜11:00
荷役作業等の内容 個別に置かれている荷物の荷造り作業
荷主の確認の有無 口頭により確認あり

荷主の確認が取れなかった場合は「確認を求めたが応じてもらえなかった」のように、確認を試みた事実を書き残しておくことが望ましいです。

荷役記録の条件について補足します。荷主との契約書に行う荷役作業のすべてがあらかじめ明記されている場合は、その作業に1時間以上かかったときだけ記録が必要です。それ以外の場合(契約書に記載がない、または契約書にない作業を依頼された場合)は、時間の長短にかかわらず記録の対象です。


サンプル3:遅延が発生した日

公式様式の「記載例」シートで示されている遅延の記入例です。

事故・著しい遅延欄

国道○○号線が○○による渋滞のため、○○時に○○へ到着する予定であったが、
大幅に遅れ○○時に到着した。

この例文の構造は「原因」「予定」「実際」の3要素を含んでいます。記入の際はこの型に沿って書くとわかりやすい記録になります。

通常の渋滞による数分のずれは「著しい遅延」には当たりません。目安として「荷主への事前連絡が必要になるほどの遅れ」が発生した場合に記録します。


6. 記録方法の選び方:紙・Excel・アプリを比較する

記録の様式が整ったら、次は「どの手段で毎日続けるか」を選びましょう。法令上は紙でも電磁的記録(Excel・アプリ)でも有効です。

業務の記録は毎日の業務ごとに作成し、1年間保存する義務があります。「書くこと自体」より「毎日欠かさず続けること」の方がはるかに難しい面があります。自分の働き方に合った手段を選ぶことが、続けられる記録の第一歩です。

紙(PDFテンプレートを印刷して使う)

本記事末尾から無料でダウンロードできるPDFテンプレートを印刷して、手書きで記録する方法です。

メリット

初期コストはプリンターと用紙のみ。インターネット接続やアプリの操作に慣れる必要がなく、「今すぐ紙で始めたい」という方に最も障壁が低い選択肢です。

デメリット

業務中は車内で記録する場面も多く、移動のたびに用紙とペンを用意する手間があります。リアルタイム記録の原則(業務後のまとめ書きはNG)と相性が悪くなりやすい点に注意が必要です。また、1年分の用紙を保管するスペースが必要で、過去の記録を後から検索することもできません。

Excel(国交省公式の様式例を使う)

国土交通省は業務記録用のExcel様式を公式配布しています(業務記録の様式例)。記載例シートも付属しているため、この記事で解説した記入例と同じ内容を自分の環境で確認できます。

メリット

項目の漏れが起きにくく、日付ごとに行を追加するだけで管理できます。無料で使え、PCでの管理が得意な方には整理しやすい手段です。

デメリット

PCが前提のため、業務中の車内でリアルタイムに記録することが難しいです。「帰宅後にPCで入力する」という運用になりやすく、これは法令上のリアルタイム記録の原則と相性が悪い面があります。また、ファイルのバックアップを自分で管理する必要があります。

アプリ(delilog プレミアム機能・14日間無料トライアル)

スマートフォンのアプリで記録する方法です。

業務の記録(運行記録)はdelilogのプレミアム機能です。14日間の無料トライアルで試すことができます。点呼記録・日常点検は無料プランで永続的に使えますが、業務の記録については無料プランの対象外ですので、導入前に確認しておきましょう。

メリット

集荷・納品・休憩などのタイミングに合わせて、スマートフォンで記録できます。出発時のメーター値と到着時のメーター値を入力すれば走行距離(従事距離)は自動計算されます(メーター値の入力は手動です)。1年分の記録がクラウドに自動保存され、PDF出力は国交省モデル様式に準拠しているため、監査対応にそのまま使えます。点呼記録・日常点検と同じアプリ内で一元管理できる点も大きなメリットです。

デメリット

業務の記録はプレミアム機能のため、継続利用には月額料金が必要です。スマートフォンの操作に慣れる初期コストもあります。

3つの手段を比較する

比較軸 紙(PDF印刷) Excel アプリ(delilog)
初期コスト プリンター・用紙のみ 無料(国交省公式様式あり) 無料インストール(業務の記録はプレミアム・14日間無料トライアル)
リアルタイム記録 車内で書く手間あり PCが必要・後入力になりやすい スマホで記録しやすい
保管スペース 1年分の紙が必要 PC内またはクラウド クラウド自動保存
走行距離の計算 自分で計算 自分で計算 メーター値入力→自動計算
過去記録の検索 不可(手めくり) ファイル内検索可 アプリ内で確認可
点呼・日常点検との連動 別途管理 別途管理 同一アプリ内で一元管理
PDF出力(監査対応) そのまま紙を提示 印刷または別途PDF化 国交省モデル様式準拠のPDFを出力

「毎日欠かさず・1年分保存・監査時にすぐ出せる」の3条件を同時に満たしやすいかどうかが、手段を選ぶ際の最大の判断軸です。

紙で始めることも、Excelで管理することも、いずれも正当な選択肢です。大切なのは「選んだ手段で実際に続けられるかどうか」です。完璧な手段よりも、自分のリズムに合って毎日続く手段の方が、法令上も監査上も強い記録になります。


7. よくある質問(FAQ)

Q1. 1人親方でも業務の記録は必要ですか?

結論: 必要です。1人で業務している場合も記録義務の例外はありません。

対象になるのは「黒ナンバー(事業用軽自動車)で運送業を行っているすべての人」です。法人か個人事業主かを問わず、「1人だから小規模だから」という免除はありません。

2025年4月1日の施行時点から義務が発生しており、経過措置もありません。

バイク便(原付・自動二輪)は対象外です。黒ナンバーの軽自動車・軽バン・軽トラックで運送業を行っている方が対象です。


Q2. 何年保存すれば大丈夫ですか?

結論: 業務の記録は1年保存。事故の記録は3年保存。

記録の種類 保存期間
業務の記録(運行記録) 1年
点呼記録 1年
日常点検記録 1年
事故の記録 3年

同じ日に事故が発生していた場合、その日の業務記録も長い方(3年)に合わせて保管しておくのが安全です。

保存形式は紙・電磁的記録(Excel・アプリ)のどちらでも法令上認められています。


Q3. 点呼記録・日常点検記録・業務の記録は別々に必要ですか?兼用できますか?

結論: 3種類は別々に必要です。1枚の様式にすべてを兼用させることはできません。ただし、同じバインダーやフォルダでまとめて保管することは問題ありません。

記録の種類 記録する主な内容
点呼記録 業務前後のアルコール確認・体調確認・運行指示
日常点検記録 15項目の車両点検状態
業務の記録 運行経路・走行距離・発生事象

3種類はそれぞれ記録する内容・タイミング・目的が異なるため、様式を兼用することはできません。ただし「3種類の様式を同じバインダーに綴じて一体保管する」という運用は問題ありません。むしろ、まとめて管理することで「点呼記録の日常点検状況欄」と「日常点検記録簿」の連動がわかりやすくなり、保存期限の管理もシンプルになります。

点呼記録簿テンプレートは点呼記録簿テンプレート【無料DL】、日常点検記録簿テンプレートは軽貨物の日常点検記録簿テンプレ【無料DL】から無料でダウンロードできます。


Q4. 様式は国交省が配布しているものでないとダメですか?

結論: 指定様式の義務はありません。6項目+条件付き項目を満たせば、自分で作った様式でも問題ありません。

貨物自動車運送事業輸送安全規則(第8条)は記録すべき内容を定めていますが、「この様式を使わなければならない」という指定はしていません。

ただし、記録漏れのリスクを避けるためにも、国交省が公開している公式様式(業務記録の様式例)または本記事配布のテンプレートを使うことをおすすめします。公式様式は毎回記録する項目・発生時に記録する項目・条件付き必須項目をすべて網羅した設計になっています。

本記事配布のテンプレートは、delilog アプリが実際に出力するオリジナル様式です。公式様式(001841029.xlsx)が求める項目をすべて満たしており、稼働時間欄などを加えた実用的な設計になっています。


Q5. アプリで記録した場合、紙への印刷・保存は必要ですか?

結論: 不要です。電磁的記録(アプリやExcelのデータ保存)は紙と同等として認められています。

貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈・運用通達において、「書面又は電磁的方法による記録・保存のいずれかでも差し支えない」と明示されています。スマートフォンアプリで記録・保存したデータも、法令上の保存義務を満たします。

ただし、監査や運輸支局への提示が求められた際に「すぐに記録を確認・提示できる状態」を維持しておくことが重要です。クラウド保存の場合は電波のある場所で開示できる状態を保ち、必要に応じてPDFで出力できる環境を整えておきましょう。


Q6. 走行距離はどうやって出せばいいですか?

結論: 業務開始時と業務終了時の走行距離計(メーター)の数値を記録し、その差分が従事距離になります。

記録するのは「走行距離計の表示値」です。

タイミング 走行距離計の値
業務開始時(出発直前) 例: 12,500 km
業務終了時(帰着直後) 例: 12,680 km
従事距離 12,680 − 12,500 = 180 km

オドメーター(総走行距離計)の値を使う方法が一般的です。トリップメーターがある車は業務開始時にリセットすると、終了時にそのまま従事距離が読めます。

小数点以下の端数は切り捨て・切り上げのいずれでも問題ありません。1km単位で記録すれば十分です。業務で走った距離のみが対象なので、プライベートで使用した分は含めません。

「距離を書き忘れてしまった日」があっても、概算でも構わないので必ず何かを記入しましょう。空欄は「記録漏れ」として扱われます。


8. まとめ:今日から始める業務の記録

業務の記録(運行記録)は、2025年4月1日から黒ナンバーで運送業を行うすべての方に義務付けられた記録です。様式・書き方・保存期間のルールを整理してきましたが、最後に「今日から始めるための3ステップ」でまとめます。

ステップ1:様式を手に入れる

まず「どの様式に書くか」を決めましょう。選択肢は3つです。

  • 本記事配布の PDF テンプレート: 印刷してすぐに手書きで始められます。delilog が実際に出力するオリジナル様式で、1枚で1業務分(主な経過地点は8行)を記録できます。
  • 本記事配布の Excel テンプレート: PC で入力・印刷したい方向け。空欄の「業務の記録」シートと「記入例」シートの2枚入りです。
  • 国交省公式の様式例(Excel・記載例つき): 記載例シートも付属しているため、公式の記入例を確認しながら使えます。

「まず今日から始めたい」という方は、PDF テンプレートをダウンロードして印刷するのが最も手早いです。

ステップ2:書くタイミングをルーティンに組み込む

業務の記録はリアルタイム記録が原則です。「夜、自宅に戻ってから1日分をまとめて書く」という運用は法令上認められていません。

現実的な運用の例:

  • 業務開始前: 氏名・車両番号・出発地点・出発時刻・走行距離計(出発時)を記入
  • 集荷・納品のたびに: 経過地点(地点・着時刻・発時刻)を記入
  • 業務終了時: 終了地点・終了時刻・走行距離計(到着時)を記入

地点の粒度は「市区町村+施設の通称」が目安です。番地まで書く義務はありません。荷主の会社名・顧客名は記録対象外です。

ステップ3:点呼記録・日常点検とセットで一体運用する

業務の記録・点呼記録・日常点検記録は、いずれも同じ1年間の保存期間を持つ法令義務です。3種類をまとめて1冊のバインダーや同じフォルダで管理すると、保存期限の管理がシンプルになります。

業務前の標準的な流れ:

  1. 日常点検15項目を実施・記録する
  2. 業務前点呼を行い、点呼記録に「日常点検状況」を記入する
  3. 業務の記録に業務開始の地点・日時・走行距離計(出発時)を記入して出発する

この流れを習慣化すると、業務前の法令義務をひとまとめにこなせます。


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紙で始めたい方はPDF、PCで入力・印刷したい方はExcelをご利用ください。いずれも delilog アプリが実際に出力するオリジナル様式で、国交省公式様式(業務記録の様式例)が求める項目をすべて満たしています。今日からすぐに使えます。

PDF版(A4印刷対応)

Excel版

国交省公式の様式例(Excel・記載例つき)


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参考資料

国土交通省

e-Gov 法令検索